
銀行で住宅ローンを組んで、住宅を購入した場合、通常、銀行はその住宅の建物と土地を担保に融資を実行しますので、もし、その建物が火災等の事故で焼失した場合、銀行は建物の部分の担保を失ってしまいます。
そこで銀行は住宅ローンの融資期間中は借り主の住宅が火災等の事故で焼失した場合でも担保が減少したり、無くならないように、融資期間の全期間カバーする火災保険に加入する事を条件としている場合が多いようです。
住宅ローンは通常は20年や35年といった長期のケースが多く、融資期間の全期間をカバーする事ができる保険期間が長期の火災保険を住宅ローン対応の火災保険と呼ばれている場合が多い様です。
昨今では、マンション等の区分所有建物や土地付きの一戸建て住宅を住宅ローンで購入した場合でも、下記Bで案内しています、質権を設定しないケースが増えてきています。
具体的には融資を受ける銀行の指示に従って火災保険に加入する事になります。
銀行が火災保険の加入に際し提示する条件は大きく分類すると下記A〜C の3通りになります。

上記A〜Cをご確認して頂き、A,Bの場合は銀行に指示通りの火災保険に加入した証明として申込書お客様控えや保険料振込控え等の書類を提出するのが良いでしょう。
B,C の場合でも 下記Cの長期火災保険ノメリットである割引の適用を受ける為に、長期一括払いでの火災保険のご契約も可能です。※保険会社によりましては住宅ローンの期間を上回ってご契約できない場合があります

@質権を設定する場合
土地が借地等の場合で土地を担保に出来ない場合は、建物だけを
担保に融資をする事になりますので、この場合はその住宅が火災等の
事故で焼失した場合、銀行は全く担保を失う事になります。この様に 土地が担保になっておらず、建物のみが担保の場合は質権を設定する場合が多い様です。
※質権とは、左図「@質権を設定する場合」に解説致しましたが、保険の契約者が通常通り、保険料を保険会社に支払後には保険証券は銀行(質権者)に送られ、保険契約者には保険証券(写)が送付されます。
また、火災等の事故が起きた場合の保険金の支払も銀行に支払われます。※通常、事故発生時は保険会社が銀行から保険金支払い指図書等の書面により承諾を得て、保険契約者に損害保険金が支払われ修理等に充当できるケースが一般的です。
また、
質権設定承認請求書には質権の対象から除外する損害の種類が記載されている場合があり、通常、盗難や地震による損害は除外されている場合が多く、除外されている損害が生じた場合は、保険会社は銀行の承諾無で直接契約者に支払います。
最も大きなメリットは長期契約により割引が大きくなる事です。
火災保険の保険料の支払い方法で、5年や10年、20年等の長期間の保険料を一括して支払う事を長期一括払いといいます。
長期一括払いは、毎年保険料を支払う年払い方式に比べ、保険期間が長期になればなるほど割安になります。
例えば、5年の長期一括払いの保険料は「1年の保険料×4.3」という計算式により、計算されます。
この4.3の部分を長期係数と呼び、各保険会社が市場の長期金利を参考に独自に決定します。
長期係数は単に4.3という数字ではなく、4.3年分と言うふうに考えると理解し易いです。
保険期間が長いほど割引率は大きくなり、保険期間が35年の場合を下記に説明致します。
さて、上図に説明致しましたが、35年の長期一括払いですと長期係数は保険会社により、異なりますが24*1とした場合は上図になります(*1ご参考に平成23年12月時点でAIU保険22.7 あいおいニッセイ同和24.25)。
1年間の保険料が1万円であるとするならば、年払い方式の場合で35年間保険を継続した場合は35万円の保険料が必要になりますが、保険期間35年の長期一括払いの場合はご契約時に必要な保険料は24万円(※長期係数を24として試算)とな
り、実に年払い方式の保険を35年間継続する場合に比べ、11万円お得になります。これを貯蓄として捉え、24万円を35年間貯蓄して、11万円利息がついて35万円に増えたと考えると、その利率を計算すると、年率で1.0 8%になります
その計算式は下記のようになります。
年率1.08%(正確には1.0839%)で複利運用されるとした場合、
※複利運用とは1年後に増えた利息を受取らず元本に足して同一金利で増やす事
【(【(24万円×1.0108)×1.0108】×1.0108)×1.0108・・・すなわち24万円×1.0108の35乗になります。

※Excel でA1に 1.010839 B1に 35 C1 に =A1^B1 と入力すると1.010398の35乗が計算できます。

1.010839の35乗が1.458351ですので、
240,000円×1.458351=350,004円となります。
家族の変化による家財の保険金額の見直しを忘れずに!
例えば35年の長期契約をした場合、契約時の年令が30才だとすると、ご契約頂いた火災保険が満期になるのは、ご契約者が65才になっています。当然、保険期間途中に家族も増え、家財の再調達価額等も大きく変化している可能性があります。火災保険が1年や5年満期ですと、満期の時に家財の保険金額を見直しをする場合があると思いますが、35年契約ですと、保険金額の見直しがつい疎かになり、いざ、火災等の事故が発生した時に、損害保険金で損害を受けた家財を全額買い直す事が出来ない場合も生じかねません。家財を長期契約された場合は、5年毎に保険金額の見直しをお勧め致します。多くのの保険会社では保険期間途中での家財の保険金額の増額や減額には応じてもらえます。

物価の変化による建物の保険金額の見直しを忘れずに!
35年の年月の間に時代は大きく変わるものです。例えば昭和30年から平成2年までの約35年間で物価は大きく変化しています。例えば下図にありますように、大卒男子の初任給が13,000前後だったのが、平成元年には17万円前後と10倍以上になっています。
平成になってからは、さほど物価の変動は少ないようですが、今後35年間を見据えた場合には予測がつかないのが実情ではないでしょうか。
住宅の新築費も当然物価の影響を受け、新築当時の物価水準による建物の再調達価額(新築費)
を保険金額にしている場合でも、将来、物価水準が大きく変動した場合は、設定している建物の保険金額で同等の住宅を購入出来るのか調べてみる事が重要となります。
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